柿の天敵

柿の病害虫
カメムシ類
 7月ころから飛来して果実の肩の部分から果汁を吸収する。
 被害にあった果実は、やがてヘタを残して落果する。
 8月下旬以降に被害にあった果実は落果せず、被害部がわずかにくぼんで着色しない。

カイガラムシ
 
7〜8月以降に発生が多いと、葉は早く落ち、果実は発育が悪く生気を失う。
 幼虫の分泌する排泄物にスス病菌が繁殖し、厚いスス病を併発して果実を汚くする。

カキミガ(ヘタムシ)
 
粗皮や枝の又部に繭を作り越冬し、6月ころ第1回、次いで8月以降と年2回発生する。
 日中は葉裏に静止し、夜間に活動する。
 幼虫は最初芽に食い入り、次いで果実に入る。果実の外に虫糞を出しながら深く食い込む。


イラガ
 
わが地方では「イガムシ」と呼んでおり、触るとひどく痛みが残る。
 多発すると、葉を食い尽くしてしまう。

ハマキムシ
 
葉や果実、花などを食害する。
 葉では、巻葉にしたり2〜3枚の葉を綴り合せて、その中にもぐって食い荒らす。
 開花時には、花弁をかじったり、花の中の子房をかじって結実を悪くする。
 果実では、ヘタと果実の境の部分や、葉と果実の接している所で果皮を浅くなめるように食害する。

炭そ病
 
4月下旬頃から黒色楕円形の病斑をつくる。
 被害部は古くなると扁平になってくぼみ、次第に深く入って木質部まで黒く腐朽し、縦に烈開する。
 湿潤な天候が続くと付近に伝染する。(水に溶け伝染する)
 6月以降は果実(幼果)にも発病し、黒くへこんだ病斑が現れ、ヘタを残して落果する。

うどんこ病
 5月末ころから発病し、若葉の表面に薄墨色の小さな斑点がかたまり、裏に白色のカビが見える。
 秋には葉裏がうどん粉状の菌糸で覆われ、早期落葉につながる。
 果実には直接被害はないが、果実の肥大が妨げられたり、樹勢が低下する。

落葉病
 
角斑落葉病と円星落葉病があり、6月ころ胞子を飛ばして伝染する。
 いずれも葉に褐色の病斑が出て早期落葉する。
 円星落葉病は病勢が急激で、ひどいときには全葉が落葉する。
 落葉がひどいと、果実についても、落ちるか、極めて味の悪いものしか採れない。

灰色カビ病
 ボトリチス菌による病気の総称を「灰色カビ病」と呼ぶ。
 枯れた花弁、花粉、植物体の傷ついた部分から侵入し発病する。

柿の生理障害
ヘタスキ
 成熟期に近づくと、果実基部のヘタと果肉部の接着部の一部分に偏って大きい隙間ができることがある。
 これは、果心部へ向かって深い裂け目が出来ている証である。
 ヘタスキになると、その部分を中心に急激に軟化する。
 
なお、柿は大きいほど市場性が高いが、それに比してヘタスキになりやすくなる。

果頂烈果
 
収穫前の最後の果実肥大期に果頂部に亀裂を生じ、ときには大きく烈開する。
 烈開部から雑菌が侵入し、周辺部が黒変することもある。

汚損果
 
樹上または収穫後の果実の表面が黒変するもの。
 この黒変は果皮だけで、皮を剥いてしまえば普通の柿と何ら変わりない。

その他
凍霜害等
 発芽、展葉期の凍霜害
 成熟期までの雹(ひょう)害
 台風対策
 収穫期の凍害


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